高齢者介護に携わる人なら誰でも一度は聞いたことがあるであろう「陰部巻き」について、
先日Twitterのタイムラインに流れてきた、外国人介護士から聞いたという排泄介助の方法がとても衝撃的でした。
他にも来日したばかりの外国人介護士からは驚く話ばかり😂
最近で一番びっくりした話
殴り書きで申し訳ないんですが介護に携わってる方に見て欲しい😂 pic.twitter.com/c279gZ7nCl
— Aya (@aya_g_g) August 22, 2019
何でも、ベトナムではパッドの代わりにビニール袋を排泄介助に用いているそうで・・・。
ネタじゃないの!? と思ったくらい驚いたのですが、排泄介助についていろいろ考えてみると、意外と理にかなってるのかも?とも思いました。
陰部巻きとは
介護に携わった経験のない方は、そもそも陰部巻きって何なの??と思うかもしれません。
陰部巻きとは、三角に折った尿取りパッドで陰茎を包むことを言います。
他に、「チン巻き」「男巻き」「三角巻き」などと呼ばれています。(私は普段「三角巻き」と呼んでいます)
主に、夜間の就寝時に使用されることが多いのではないかと思います。
巻いたパッドを交換するだけで済むので、睡眠を大きく妨げずにオムツ交換できることが一番のメリットでしょう。
すべての施設や介護士がすべての男性利用者にこれを行なっているわけではなく、施設によって「うちでは禁止!」というところもあるし、利用者によって「この方はやった方がいい、この方には必要ない」と個別に対応を考えているところもあります。
三角巻きは良くないとされることや、拘束にあたるのでは?と言われることもありますが、先に述べたようにオムツ交換の負担を減らせるという面もあるので、「一概に良い・悪いと言えない」というのが私の考えです。
介護用品を扱うメーカーも、陰部を包めるように作られた男性用パッドを販売しています。
ビニール袋を使った収尿袋の概要
この方法は、元は台湾で実践されている介護技術だそうです。
- 雨の日の傘袋のような袋をはめて、そこに尿を溜める
- 袋は、ズボンの前に穴を空けてそこから出す
(他の人から見えないように膝掛けで隠す) - 尿が溜まったら、溜まった分だけ袋を切って、袋の先を結んでまた尿を溜める
社会の窓から傘袋がビロンと垂れてる姿を想像すると、「尊厳はいずこに??」と思ってしまいますね・・・。
最初にこの排泄介助方法を見たときは、とにかく驚きました・・・。
袋は陰部にどうやって固定しているんだろう??
とか、
もし袋が破れたら悲惨なことになるな・・・
とか、
いろいろな感想が浮かびました。
メリット
この方法を伝達した外国人介護士の弁によれば、
- パッドやオムツより安い
- 蒸れにくい
- 排泄物の処理が簡単
というメリットがあるそうです。
固定方法
予想以上に多くの方から賛否両論の意見がいただけ、シェアした甲斐がありました!✨
リツィートやコメントいただいた方、返信おいつかずすみません💦
詳細を今日また聞いてみたところこんな感じらしいです!
袋の長さは1メートルほどで、
まさかの接続部はセロテープ(笑) pic.twitter.com/uWjjQxjxNQ— Aya (@aya_g_g) August 26, 2019
外れないように、セロテープで固定しているようです。
さすがにそれは・・・^^;
蒸れない代わりに、かぶれなど皮膚トラブルが起こりそうな・・・。
案外、合理的ではある・・・?
最初こそ、尊厳無視したとんでもない介護だ!と思ったのですが、
尿取りパッドを使った排泄を改めて考えてみると、ビニール袋式もアリと言えばアリなのかも?と思うところもあります。
1つは、三角巻きはおそらく相当蒸れているだろうということ。
排泄介助でパッドを外した途端、勢いよく掻き毟る利用者さん、たくさんいらっしゃいます。
もう1つは、「もったいないから」という理由で汚れたパッドをそのまま使用する人もいらっしゃるということ。
衛生面や利用者の尊厳を考えると、このビニール袋式の方法がそのまま日本で取り入れらることはないだろうけど、それらをクリアできれば意外と理にかなってる部分もあるのかもしれません。
同じような仕組みの医療用品はすでに存在します。
こういった製品は、コストがかかるからか、単に知られていないのか、あまり普及していないように思います。
終わりに:既存の介護を常に見直す
世界には私の知らない介護技術がまだまだたくさんあるんだろうな、と思いました。
「排泄ケアには尿取りパッド」が当たり前だと思っていたけれど、当たり前だと思っていることは果たして「最善」なのか。
改めて考える良いキッカケになりました。
安価で処理がラクな台湾発ビニール式収尿袋の日本版(の女性ver)、私が高齢者になるまでに製品化されていることを願います。