介護現場で誤薬事故を防ぐために気を付けていること

誤薬ダメ!

2月15日、東京の特別養護老人ホームで、介護職員が誤って他の人の薬を飲ませてしまった利用者が亡くなる事故がありました。
亡くなられた利用者さんのご冥福をお祈りします。

誤薬事故は本来絶対にあってはいけないことです。
ですが、今まで正社員/派遣社員として何箇所かの施設で勤務してきましたが、どこの施設でも一度は誤薬事故が起こっているのを目にしています。

いつでも気を抜けば自分の手で事故を起こしてしまう可能性があることを再度認識し、事故が起こらないよう今一度自分の仕事を見直してみたいと思います。

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誤薬事故はいつ起こりやすいのか

事故はいつ起こる可能性もありますが、過去に目撃したケースでは特定の時間に集中して起こっていました。

朝食後薬での事故が多い

朝食・夕食は、昼食と比べて夜勤と早番/遅番のみという人手の薄い中で同じ人数の利用者さんの援助を行わなければいけません。

中でも、朝食後薬での誤薬事故が多いように思いました。

あとは寝るだけの夜とは違い、朝は食後にもやることがたくさんあるので急いでしまうからでしょうか?
もしくは、職員も朝はまだ脳がしっかり覚醒していないのでしょうか?

そして、私が目撃したこの時間帯の事故はすべて、夜勤明けの職員が服薬介助を行なって起こったものでした。

仮眠を取っているとはいっても、前日夕方から働きっぱなしなので、本人が自覚している以上にぼーっとしてしまっている可能性はあるかと思います。

誤薬事故に多いパターン

case.1 ケースと中身の薬が間違っているパターン

介護施設では薬包を利用者ごとにケースなどに分けてセッティングされていることがほとんどですが、ケースに入れる際に、ケースの名前と薬包の名前が間違っているパターンが1つです。

服薬時、介護職員はケースに書かれた名前を見て薬を持ち出しますが、中身の薬包が違う人のものであることに気付かず、誤薬が起こる可能性があります。

case.2 利用者の名前を勘違いしているパターン

利用者Aさんの服薬介助をしようと、職員が薬を持ち出したとします。

薬はAさんのもので間違いないものの、職員が利用者BさんをAさんと間違えて、BさんにAさんの薬を飲ませてしまった、という誤薬事故が起こる可能性もあります。

私が過去に見た誤薬事故で一番多かったのが実はこのパターンでした。

中村さんと中山さん、など名前が似ていたり、ADLや外見の特徴が似ている場合に、間違える可能性が高いのかと思います。

case.3 2人まとめてパターン

同じテーブルの方2人以上まとめて服薬介助しようと人数分薬を持ち出し、服薬する際に同じテーブルの他の方の薬と間違えて飲ませてしまう、という可能性もあります。

人手が足りていない現場に起こりやすいように思います。

服薬介助で気をつけるべきこと

介助前のダブルチェック

ダブルチェックとは、服薬介助を行う職員が薬を持ち出す際に、他の職員と一緒に持ち出す薬が間違っていないか確認する作業です。

ダブルチェックの際は、

・服薬介助を行う職員が、もう1人の職員の前で、日時・名前・服薬時点(朝食後 など)を薬包1枚1枚読み上げる

・読み上げた内容が間違っていないか確認する

→この2点でcase.1の事故はほぼ起こらないはずです。

加えて、

・服薬介助を行う職員が、間違えて他の利用者のところに持って行っていないか見届ける

→ここまで出来れば、case.2の事故も防げるはずです。

利用者さんと一緒にもう一度チェック

職員同士で行うダブルチェックに加え、服薬前にもご利用者の前でもう一度薬包の内容を読み上げ一緒に確認を行えば、より誤薬のリスクは減らすことができます。

認知症の方など自分で薬を確認できない方の介助を行う場合でも、目の前で薬を一包ずつ読み上げ、間違いがないか自分自身でもう一度確認することが大切です。

(※服薬拒否がある方の場合はまた別の話)

一歩間違えば取り返しのつかないことになるという意識をもつ

どの介護現場でも、この職員2人でのダブルチェックは原則行うものとされています。

ですが、職員は基本的に服薬以外にも利用者の援助で動き回っているため、服薬介助時に他の職員がフロアにいない場合など、ダブルチェックを実施できない場合もあります。

また、職員の危機意識が低く、ダブルチェックが疎かにされていることも残念ながら少なくありません。

「○○さんの薬いきまーす(遠くから独り言)」
「はーい(見てない)」

上は極端な例ですが、ありえないやりとりではありません。

チェック専門の職員の配置なんて現実的ではありませんし、そもそも人間の目だけで100%ミスを防ぐことは不可能でしょう。

職員への負担が少なく、より確実に誤薬事故を防げるシステムの確立が期待されますが、現状、職員の目に頼る他ない現場がほとんどかと思います。

服薬介助は毎日決まった時間に行う仕事なので、慣れてくると作業となりがちです。

薬の飲み間違いが最悪の場合どうなってしまうか、介護に携わる人間は日々意識して業務にあたらなければなりません。

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